学校の成績が上がらない。
恋人との関係が上手く行かない。
仕事で成果が出ない。
人は何かしらの悩みを持ち、解決したいと考えています。
そんなとき心強い味方になるのが自己受容と自己肯定です。
2つの言葉は似た意味を持ちますが
ニュアンスが微妙に異なり、味方につけるには正しい順番があります。
これらを間違えると、本来自己受容すべきフェーズで自己肯定をしてしまい
一向に問題が改善されないといったことになり得ます。
本記事は
・自己受容と自己肯定の違い
・正しい順番で味方につけること
の理解を目的とします。
自己受容とは
受容を辞書で調べると
受け入れること。
とあります。
つまり自己受容とは「自分を受け入れる」こと
自分の容姿、能力などの事実というボールをそのままキャッチするイメージです。
自己受容は善悪の判断をしません。
例えばあなたが偏差値40だとします。
偏差値の平均は50ですから、平均と比べると低いことになります。
しかし自己受容では
「平均より下だからダメだ」や「別に40あれば充分だよね」
という善悪の判断はしません。
ただ「私は偏差値が40だ」という事実を受け入れるのです。
受容できないとどうなるでしょうか?
受容の対義語は拒絶ですから、この事実というボールをキャッチできません。
先ほどの例で行くと
「私は本気出していないだけ。人の価値は偏差値では決まらないから勉強など不要」
と現実から目を背けることに繋がります。
自己肯定とは
肯定を辞書で調べると
価値があると判断する
とあります。
つまり自己肯定とは「自分には価値があると判断する」ことです。
自己肯定では事実に対してポジティブな判断をします。
例えばあなたが学校で成績が悪いとします。
自己肯定とはこの事実に対し
「今は成績が悪いけどここから勉強して賢くなる。私にはできる」
と自分を信じる判断をすることです。
肯定できないとどうなるか。肯定の対義語は否定ですから
「自分なんてダメだ。努力しても成績なんて上がらない」
とネガティブな評価をすることになります。
自己受容と自己理解の違い
ここまでの話をまとめます。
自己受容 | 自己肯定 | |
意味 | ありのままを受け入れる | 価値があると判断する |
判断 | しない | する (ポジティブ) |
例文 | 成績が悪いという事実を受け入れる | 今は成績が悪いけど大丈夫 私にはできる |
正しい順番での理解
下の図は自己受容ができる/できない、自己肯定が高い/低いの4つに分類した表になります。
①は何も問題がありません。
②に関しても現状は受け入れられているため適切な指導者、環境の元
徐々に自信をつけ、自ら問題を解決できるようになります。
問題は③、④です。
これが自己受容・肯定を味方につけるには正しい順番があるということに繋がります。
結論を言うと自己受容⇒自己肯定の順で味方につけることが必要なのですが
その理由は二つです。
自己肯定 | |||
高い | 低い | ||
自己受容 | できる | ①自分を受け入れ 価値があると信じている | ②自分を受け入れているが 価値が無いと感じている |
できない | ③自分を受け入れられないが 価値があると信じている | ④自分を受け入れられないし 価値が無いと感じている |
理由①問題が前に進まない
③とは例えば成績が悪い子が
「自分はまだ本気出していないだけ。ポテンシャルがあるから本気を出せば余裕なんだ」
と現実から目を背けている状態です。
この状態では永久に問題が前に進みません。
まずは現状の問題を本人が認識し、受け入れることが必要なのです。
理由②本当の意味で肯定できない
④では受容⇒肯定の順番が必要です。
これが逆だとそれはそれで問題なのです。
例えば④の人が努力し偏差値が40→50まで上がったとします。
能力が向上しているので自己肯定感は高まります。
一方で「出来ない自分」はまだ受容出来ていません。
するとどうなるか。
人生は常に出来ないことの連続です。
偏差値50の世界には偏差値40とはまた違った壁があります。
そして壁にぶつかったとき「出来ない自分」を受け入れられないのです。
その結果「やっぱり自分はダメな人間なんだ」と自己肯定感が下がります。
つまり永久に自分を肯定できないのです。
また、偏差値50での壁にぶつかり「できない自分はダメだ」と自己拒絶し
恐れの感情をモチベーションに必死に勉強
真面目に努力はするため偏差値60に到達
しかし今度は偏差値60の壁にぶつかり、また「できない自分はダメだ」と受け入れられない。
結果としてどこまで行っても満たされず、生き辛さを感じる人生となってしまいます。
まとめ
まとめます。
自己受容:ありのままの自分を受け入れること
自己肯定:自分に価値があると信じること
2つの違いを理解し自己受容⇒自己肯定の順で味方につけることが重要です。